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nokoru ホーム技術と技能、人の記憶を残す図鑑

人の記憶

仕事と家族、どちらが大事なの?どんなに苦労しても家族には伝わらない一面。

仕事・家族、どうやってバランスを保てば良いのか。ひとつのことに一生懸命になることは時として一方の破滅に向かってしまう。 一体どうすれば良いのか。永遠に答えが出ない気がした。

窓辺の仕事机と隣の小さな机を描いたイメージ

仕事・家族、どうやってバランスを保てば良いのか。ひとつのことに一生懸命になることは時として一方の破滅に向かってしまう。
一体どうすれば良いのか。永遠に答えが出ない気がした。

幸せな家庭を築き始めていた

大きさの異なる茶碗が並ぶ食卓のイメージ

大阪でサラリーマンをしながら家族を支えるAさん。
長女、長男と子供たちにも恵まれ、幸せな家族を築いていく。

現状の仕事に特に不満はない。
家族を支えるだけの収入もあり、何か考え直さなければいけないことなど何もなかった。

しかし、何か心の奥底で変わりたい、変えたいという感情が沸々と存在していたのかもしれない。
このまま、仕事を続けていくことで生活に大きな変化は訪れず、粛々と人生が進んでいったかは今となってはわからない。

今現在と比較すると、さまざまな過去の分岐点は後悔になってしまうことは人生を積み重ねればよくある。

ああしなければよかった、こうしなければよかった。
そうしなければよかったことで、今幸せなのかは誰も証明できない。

新しい一歩へ進む

石畳の分かれ道と遠くの灯りを描いたイメージ

日々淡々と過ごしながらも特に不満などない人生。
妻もおり、子供たちもおり、それ以上に何か変える必要などあったのだろうか。

とある日、友人からの誘いで新しいビジネスの話を持ちかけられる。
初めに言っておくが、これは怪しいビジネスではなく後に成功に向かい、Aさんは重要なポジションへ上り詰めていく。

Aさんは悩んだのかもしれない。さまざまな葛藤があり、大きな決断だったのだろう。
しかし、仕事における決断として客観視すると誰しもが成功だったと感じる話であった。

不安の中にも大きな期待を感じ、Aさんは決断する。
新しい道へと進むことを決断し、進んでいくのだ。家族とともに。

ひとりで進む道

窓辺に置かれた一脚の椅子と閉じた本のイメージ

新しい仕事は過酷なものだった。
まず、当然家族の反対もあったが住まいは関西から関東へ移動。

仕事も初めは不慣れなこともあり、帰りも遅く、家に着く頃には家族は寝静まっている。
忍び足でリビングへ向かい、ラップのかかった夕飯を温めずにかき込む。

休日には仕事のことが頭から離れず、知らず知らずのうちに険しい顔に。
子供たちはお父さんのことを「怖い人」と認識してしまっていたという。

ただ、自分自身も大好きなキャンプは欠かさず、定期的に家族や友人と共にキャンプをし、その時は顔がくしゃくしゃになるほど笑い、楽しんだ。
子供たちはいつも怖いお父さん、キャンプの時は楽しいお父さん、そんな印象を感じていたのかもしれない。

家族サービスをしつつ、立ち向かうべき仕事をこなしていると感じていた。
そして、海外単身赴任へ。

成功のその先に

川を挟んだ都市の輪郭と小さな鞄のイメージ

製造業であるAさんの仕事では、海外工場での製造が大きな課題になっていた。
中国をはじめとするアジア各国の工場をコントロールすることが求められ、管理者の存在が必要になっていた。
Aさんは率先してそのポジションに名乗り出て、海外単身赴任の道を歩むことに。

基本的には中国を拠点として生活するが、家族は日本にいる。
なかなか会えない家族を想い、今頑張ればもっと家族が豊かになる、そう願い大変な日々をこなしていく糧としていた。

多くの同業者においても、当時は海外工場の運営を成功に導けば出世は間違いない。
大きな期待を抱きつつも、たまに帰る家族の元で少しギャップを感じ始めていた。

「居場所がない。」

月に一度あるかないか、日本に帰り家族の元へ戻ると、団欒に居づらさを感じたという。
しかし、もう少しの辛抱。これを乗り越えれば家族はさらにさらに豊かになる。
久々に帰ってくればそんなものかと考えていたかもしれない。

新しい生活

水辺に散る葉と向こう岸の光を描いたイメージ

十数年の月日が経っただろうか、海外と日本をまたにかけ、会社としても重要な存在になったAさん。
少しずつ日本での業務が増え、海外出張も落ち着き、それとともに着実に出世していく。

そんなある日に告げられる妻からの言葉。

「別れてください。」

Aさんからすれば寝耳に水。すぐには受け入れられなかったかもしれない。
しかし、何かを少しずつ感じていたのかもしれない。
大きな揉め事なく、それを受け入れ。ひとりきりの人生が始まる。

その頃にはすでに子供たちにも子供がおり、すでに自分はおじいちゃん。
会社には貢献が認められ、ついに社長へ。

着実に前向きなステップを歩んでいたにもかかわらず、突き放す妻。

仕事とはなんなのか。家族とはなんなのか。

古い木の根と新しい葉を描いたイメージ

仕事と家族のバランスが必要とはよくいうものだ。
仕事がなくては家族を養えない。家族の支えがあって仕事も頑張れる。
どちらかの割合が度を超えると、どちらかになんらかの亀裂が走る。

仕事でいくら頑張ってもその姿は家族には映らない。仕事に時間を割けば割くほど、家族には「家にいない人」と認識されてしまう。
その分、収入が増えてもだ。

バランスを崩しながらも、どちらかが大きくなり、どちらかが一方を支えてくれるのではないだろうか。
仕事の過酷さを家族に支えられ、仕事が大きくなり、家族への貢献が大きくなり家族との時間が増加する。

しかし、それは家族全員との認識が一致し、気持ちのずれがないことが前提かもしれない。
家族からの信頼を得ながら仕事を続けいてく。当然のことながら、悩む人は多いのかと感じた。

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