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nokoru ホーム技術と技能、人の記憶を残す図鑑

人の記憶

60歳。経営者。日本人のアイデンティティをデザインし続けるその理由。

今回、取材した方は広島で会社を経営する60歳。コウジさん。 たったひとつ大切なことを信念とし、地域活性化における自身を取り巻く環境の改善、文化を作り未来を変える取り組み、そして自分自身のため働き続ける。

古い木の根と新しい葉を描いたイメージ

今回、取材した方は広島で会社を経営する60歳。コウジさん。
たったひとつ大切なことを信念とし、地域活性化における自身を取り巻く環境の改善、文化を作り未来を変える取り組み、そして自分自身のため働き続ける。

スキルの根幹となる経験

開いたスケッチブックと木製の小物を置いた学びのイメージ

もともと、若い頃からファッションや広告デザインなどに興味があったというコウジさん。
見るものを魅了するファッション、センセーショナルな広告、それらに何かしらの可能性を感じ憧れを感じる人は少なくないだろう。
視覚、聴覚、その他のさまざまな感覚へ訴えかけるデザインは人間の本能を刺激し、多幸感に導かれ得る。

デザインとはそれらを理解し、さまざまな要素を緻密に組み合わせ、厳密に計算された成果物を生み出す至高の職業かもしれない。

コウジさんは単純にデザインが好きだという。
好きという気持ちは興味に繋がり、知りたいと言う感情が生まれ、さらにさらにその次へ、その先を知りたくなるのだ。

そしてデザインに対する興味はフランスに渡る決断に繋がり、デザインに関する刺激を大いに受けたという。
「好き」と言うことが「仕事」にしたい感情になり、グラフィックデザイナーへと歩むこととなる。

好きなことを仕事にしたいという気持ちはよくある。
しかし、少なくない人が挫折しなんらかの妥協をして今があるかもしれない。
好きと言う感覚と、知りたい、仕事にしたいと言う感情を大切に一歩一歩進み続け、歩みを止めなければいつかそれは「スキル」となり仕事としての始まりを迎えるのかもしれない。

自分は一体何者なのか

窓辺に置かれた一脚の椅子と閉じた本のイメージ

「デザイン」と言ってもさまざまだ。ファッションをデザインするかもしれない、広告をデザインするかもしれない、建築や車、さまざまなデザインが存在する。
それらすべてに興味を持ち、吸収し、何か得られるものがないか探究し続けたという。

以前に取材した方にもおられたが、ある職種を一括りにするのではなくその中でさまざまな選択肢を模索し、楽しみ、時には避ける。
あるカテゴリが自分にあってないからといって、その職種があってないとは限らないのだ。
職種の中にさまざまなカテゴリがあり、自分に合う合わないが存在し、そしてそれらは繋がっている。
すべてを柔軟に吸収することで、知識と経験を蓄え、その職種における一番適したカテゴリを見つけたときその道のプロフェッショナルとなり得る。

コウジさんは言う。「洋楽を好み、海外のデザインに憧れ、そしてフランスに渡り、そこで気付かされました。」
さまざまなものを見て、さまざまな音を聴いて、さまざまな物に魅了される一方で、じゃあ一体自分は何者なのか。

すばらしいものを知ることで、自分の中の何かが問いただしてきたのかもしれない。
そして、特に日本人としてのアイデンティティなど文化的な背景などを意識したデザインを考えるきっかけとなったという。

自分のルーツを大切にすると言う事

大きさの異なる茶碗が並ぶ食卓のイメージ

デザイナーとしての仕事を重ねていく中で、「日本」や自分のルーツとなるものを大切にしてきた。
それは、デザイナーの経験を積み重ねた結果としてもそのコアとなる考え方が重要だったのだと再認識したという。

アイデンティティを見つめ直し、自分らしさを理解することでデザインという大きな枠組みの中で際立つ何かを見出すことができたのかもしれない。

これは仕事、趣味やそれらの何かを生み出すすべての作業において必要な考え方なのかもしれない。
自分らしさが他との差別化に繋がり、生み出されたそれによって何より自分が自分であることの証明になる。
好きなことをより楽しむための方法がアイデンティティの認識かもしれない。

クリエイティブな仕事を今も現役で続け、あるレベルまで達したのではないかと思ってしまう。

どう思うか次第ということ

石畳の分かれ道と遠くの灯りを描いたイメージ

そんなコウジさんに仕事の苦労について質問した。
すべての作業に置いて、考えることがあり、悩みがあり、辛い瞬間もあると語る。

「苦労したことといえば、すべてでありその苦労はこれからも続くでしょう。」
そして続けた。「好きなことなのでそれを苦労と思うのかやりがいと思うのか。」

苦悩することは苦労ではない。苦悩して、悩み考え、答えを導き出すことで次のステップにつながる。
それはその道における成長であり、好きなことであればさらにひとつ深い知識を得たと言うことは満たされる瞬間であるとも言える。

どうやって取り組むか、どうやって前向きになるか、それは好きになることなのかもしれない。
もしかしたら、今の仕事を嫌で嫌でしょうがないと思っている人がいるかもしれない。
しかし、ある瞬間には「それをやりたい」と思ったはずだ。
その瞬間の感情を大切にしそれに前向きになることで、もう一度好きな感情が蘇り苦悩が苦労でなくなる瞬間が訪れるかもしれない。

もう一つ質問をした。仕事において嬉しいこととは。
コウジさんは言う。「この仕事を続けていること。そして死ぬまで続けたいこと。」

好きなことならば続けられるはず

色見本と鉛筆を並べたデザイン机のイメージ

好きなことを続けると言うことは大変なことだ。
仕事にしてしまうと、乖離が生まれ好きなことも嫌いになると言った話もよく聞く。
しかし、さまざまな視点でその好きなことを見つめ、その中に自分のアイデンティティを見出す。

好きなことが嫌いになりかけている場合、まだそのことを知り尽くしていないだけかもしれない。
好きならば全てを知れるはずだ、全てを知ってそこに自分の居場所を見つけ、そして居心地の良い環境に変えていくことで真に好きなことを仕事にしている瞬間が訪れる気がした。

自分自身、これからの仕事に自分らしさを見つけていきたいと感じた。

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